Microsoft Edge、ひらくたびに集中力を切らしてくる。
仕事中にブラウザをひらきなおしたり、タブをひらいたりするのだが、こんな画面がでてくる。気がつけば仕事の手をとめて記事をクリックしている。
ほかにも気になったものがあれば、ブラウザバックでここに戻ってくる。しかし、記事の一覧は更新されてしまう。すこし残念に思うが、もっと面白そうな記事が並ぶ。またクリックする。
目次
タイトルにはテクニックが必要
いつも、これらの記事を書いている編集者たちのテクニックに驚く。
私も、Web に記事をあげる者として、タイトルの重要性は理解しているつもりだ。いわゆる「釣り」や「煽りすぎ」のタイトルのほうがクリックを集めやすい。
ただ、これがなかなか難しい。
私も「釣りタイトルなんて付けたもん勝ちやん」と思っていた。しかし、やってみるとどうもうまくいかない。どうしても記事の内容とあわないものになる。「タイトル詐欺」なんて嫌味もいわれた。
───私は知っている。クリックされるネットニュースのタイトル作成は、誰にでもできることではない。テクニックと知識、努力を必要とするものだということを。
最初の9文字が勝負らしい
いちおうコツはあるらしい。
とくに、最初の9文字が勝負です。ここに記事のキーワードや、読者が反応を示しそうな言葉を詰め込んで、読み手のハートを一気にわしづかみにします。読者は最初の0.9秒でこの9文字に触れ、興味を持たなければスルーしてしまうのです。
東 香名子『超タイトル大全』P6
13文字の見出しに「一目で分かる効果」があることは経験的に気づいていましたが、あとになって京都大学大学院の研究により「一度に知覚される範囲は9~13文字」であるという知見が報告されていたのを知り、13文字という制限のまま編集を続けることに決めたのです
(…)
この13文字見出しは、短くて見やすいという以外にも大きなメリットがあります。それは、13文字見出しを付ける過程において、余計な情報が削ぎ落とされ、何が重要なのかが非常に明確になるということです。
奥村倫弘『ヤフー・トピックスの作り方』P73
もちろん、これを知っているからといってタイトル付けがうまくなるかといわれたらそうではない。あくまでコツにすぎない。
知識をもち、努力もする
その9文字をどのように選ぶのかは、「知識」なのかもしれない。
読者ターゲットの好みに刺さるタイトルをつけるのが成功への近道です。表現を磨くために、読者が好みそうな言葉やフレーズをリストアップしておきましょう。「刺さる言葉」をたくさん持っている人ほど、バズる確率は高まっていきます。
東 香名子『超タイトル大全』P47
Microsoft Edge にでてくる記事は、いかにもビジネスパーソンが好きそうな───興味をもちそうな言葉であふれている。狙い撃ちされているのだろう。だからクリックもしたくなるのだと思う。
あとは、シンプルに努力もあるだろうか。
- タイトルと本文の内容はあっているか。
- 漢字:ひらがな=3:7の割合になっているか
- ありきたりな表現が濫用されていないか
- もっと魅力的な言い換え・類語はないか
プロの文章書きは、タイトルすらも推敲しているのだという。
よいタイトルのためのトレーニング
『超タイトル大全』に、タイトル作りが一気に楽になるトレーニング法があった。
良いタイトルをメモして真似する
「これ、良いな」「おもしろいな」などとピンときたタイトルに出会ったときは、メモをとっておきましょう。(…)メモしたら、自分の記事だとどんなふうにアレンジできるか、頭の中で考えるようにします。
ネットニュースをリライトする
パッと目についたネットニュースのタイトルを、自分流に書き直してみる(リライト)トレーニングです。(…)「もっとこういう書き方ができるのではないか」と、頭の中で想像力を自由に働かせましょう。
東 香名子『超タイトル大全』P84
タイトル作りを上達させるコツは「とにかく数をこなすこと」とのことだ。
いつも Microsoft Edge をひらいて、記事をクリックしてボーっと読んでいるが、ただの消費者をやめるだけで学べることはあるのかもしれない。
以上。
参考文献
東 香名子『超タイトル大全』 プレジデント社(2024年)
奥村 倫弘『ヤフー・トピックスの作り方』 光文社(2010年)