「あの作業、進捗はどう?」と新入社員に聞く。
まだあまり進んでいないとき、ごまかそうとして「えーと……」からはじまる。つづけて、「😔じつは別件の作業があって、ちょっとまだできてなくて」といわれる。
いわゆる、「結論からいえない」状況になりやすい。
すこし後ろめたいことがあるとき ─── あるいは言い訳をしたいとき ─── に結論からいえないというのは、あるあるなのだろう。
まず第一に発見したのは、「言い訳」したい時には結論から言えない、という事実だった。
例えば冒頭の会話だ。
私はお客さんに間違った説明をしてしまったときに上司から「お客さんにそう説明したの?」と聞かれ、「説明しました」と結論から言えなかった。
言い訳から言ってしまったのだ。
出典:Books&Apps.「なぜ「結論から話す」が、なかなかできないのか、観察したら、理由が分かった。」(2022/4/20)- https://blog.tinect.jp/?p=76175
私も「結論からいえない民」なので、気持ちはすっごいよく分かる。
それとは真逆に、あっけらかんと「😐できてません。」という新入社員もいる。
話が早い。話が早いのはいいのだが、それはそれで「すこしは引け目を感じてほしいなぁ」と感じてしまうのだから、我ながらワガママだと思う。
何か問題になりそうなとき、言い訳をするほうが状況を悪くすることが多い。
そういう意味では結論から言ってもらえるのはありがたい。ただ、それはそれ、これはこれ。「すみません」はうつむきかげんにすべきなのだ。
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たまに、うつむくのが "うまい" 人がいる。
例えば、仕事で多めにタスクをふってしまったときや、難しいタスクを渡してしまったとき。「ちょっと定時までに終わらなさそうで……」と、メチャクチャ申し訳なさそうにされる。
それで、こちらもつい「タスクを振り過ぎたか」とあせってしまう。
彼らは、あたえられた仕事に対して、なかなか「No!」といわない。
かわりに、回答の内容と態度をあわせる。
「😔ちょっと僕には難しいと思います。……でも、😣チャレンジしてみます!」
「😢ちょっと時間がかかりそうです。遅くなってもいいですか……?」
「😣すぐ相談させてもらうかもしれません。大丈夫でしょうか?」
こういうことを、いかにも自信なさげにいう。
私は「そういうことなら」とサポートを手厚くする。
最初に 30 分ほど会話をして、最初の作業だけでも一緒にやってしまうこともある。つい一緒にやってしまうようなことがあると、「やられたなぁ」と笑う。(相手にやってやったつもりはない)
なにが言いたいのかというと、内容と態度をあわせることが重要ということだ。
この話は、なにも新入社員だけに言えることではない。誰でも使ったほうがよいテクニックだ。
:例えば、お客様から急に資料の作成をお願いされたときの話だ。
胸を張ったように、「すみません。資料の作成をお願いします。」と明晰な発音できっぱりといってのけられるときがある。別にいいのだが…ひっかかるものを感じる。
内容と態度とが合わないのだ。
ことばづかいが立派でも、気持ちがつうじなければダメだ。
ほんとに「すみません」と思うなら、声のどこかに、わずかなためらいや、相手への気づかいがにじむはずだ。それにふさわしい言いかたがある。
もちろん、言いかたがどうであれ、仕事がなくなるワケでもないし、負担は変わらない。けれど、「この人は負担をかけることを承知で頼んでいるのだな」と分かるだけでも、いくらか「まかせてください」と言いやすい。
:例えば、アプリに突然の仕様変更があったときの話だ。
私が「まぁ、別にできなくもないか」と思っていたところ、上司は悩みに悩んだあとに「優先度の高い機能とのことで、そういうことでしたら対応させていただきます。」とうつむくように回答した。
上司には、あとから種明かしされた。
「ちょっと難しい機能でしょ?これ。なのに「はい!頑張ります!」なんて元気にいってしまうと、そのまま「問題ない」と受け取られてしまうからね。」と。
─── その依頼のさいに、上司は「設計書の修正については間に合わなさそうなので、後追いで対応させていただいても良いでしょうか…?」と確認していた。
相手が恩を感じてくれていたのか、むしろ申し訳なさそうに「それで全然大丈夫です。負担をおかけしますが、よろしくお願いします。」といわれた。
「なるほどな」と思ったものだ。
早口であるというだけで敬語の値打ちがさがるという。「すみません」はうつむきかげんに、はバカにできない有効なテクニックなのだと感じていただけたのではないだろうか。
以上。